渡瀬 貴明 2018年入社
機械工学 出身
大学では機械設計を学び、卒業研究で特許技術を応用した装置を開発して、ソフトや電気回路も設計していました。私は好奇心が強く、機械、電気、回路、ソフトまで全部やりたいタイプ。この会社ならその全てに携わることができそうだと考えて入社しました。
私は機械設計エンジニアとして、小型の紙幣リサイクルユニットの設計・開発を担当しています。これはATMや自動レジなどの機械本体の内部に組み込まれる装置で、お客様が入金口から投入した紙幣を取り込んで、鑑別して分類・保管したり、お釣りの紙幣を出したりする処理を行うものです。小型化や処理速度向上などのニーズに合わせて、常に新製品が企画され、私たちエンジニアがその開発を手がけます。
入金された紙幣をスムーズに出し入れするには、安定した速度や角度で搬送したり、確実に鑑別するためにセンサーの位置を工夫したりする必要があります。そして、紙幣の破れや紙幣以外のものを認識したら確実に戻す。あるいは紙幣が詰まったらどの場所かを確実に特定する。これらを実現するには、非常に難易度の高い技術を要します。ハードとソフトが一体化した開発を進める必要があり、そのため、私たち機械設計エンジニアもソフトや回路の知識が必要となることもあります。
言われたものを形にするだけなら、ただの作業者に過ぎません。開発中はどのように機能を満たすかを徹底的に考えるからこそ、出荷を迎えた時に格別の達成感を味わえます。また、機械、ソフト、回路は担当部署こそわかれていますが、全てに目配りして一貫して開発するので、自分がつくった製品という実感も湧きやすく、やりがいが大きいです。
入社2年目で新製品の紙幣搬送装置を任されました。その機種で非常に難しかったのが紙幣を搬送する経路の設計でした。設計図を引いたら実際に装置を組み、上司を交えてレビューを行い、エラーが出た部分を修正し、再びレビューする。これを何度も繰り返してブラッシュアップし、苦戦しながらも何とか完成させることができました。
万全を期して量産体制に入りましたが、現場では、こちらが想定していなかった操作もあり、不具合が発生してしまいました。私は障害対策のために、新製品を製造している海外に出張して原因をリサーチし、問題点を解決することができました。
この装置が使われる現場の最前線に、利便性のみならず、より高い信頼性を届けることができたことは、今も忘れられません。
機械、ソフト、回路の各部門の間で、問題解決のためにお互いに行き来があり、コミュニケーションが活発な職場です。時には立ち話の間に設計の方向性が決まったりすることもあります。みんな技術に関して持論があるので、製品の話で議論をして盛り上がるのは日常茶飯事です。製品の仕様などを決める際に、アイデアを出すために若手が呼ばれることが多く、私も会議で意見を出すことがよくあります。役職に関わらず話しやすく、チーム内では頻繁にジョークが飛び交う雰囲気が楽しいです。
プライベートでも趣味はものづくり。フライス加工機の簡易版を自作して金属加工したり、加速度センサーを使って自分の体をトラッキングしたり、いろんなことに挑戦しています。仕事で機械を扱うので最近はそれ以外のことにも興味をもち、小物入れや社員証入れを革細工で製作することや、3DCGのアニメづくりにもハマり始めました。暇さえあれば何か手を動かしています。