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Project-2

クイックカウンター開発プロジェクト


クイックカウンター


開発プロジェクト

お客様と一緒に銀行業務を変える

今、銀行を取り巻く経営環境は一段と厳しさを増している。
特に営業店では来店客が減少する反面、業務コストが上がり続けている。
そこで窓口業務をサポートし事務経費の削減に挑戦する「クイックカウンターソリューション」の
開発プロジェクトがスタートした。

  • 木 秀己

    電気電子工学 出身

    ATMを監視する装置のプログラミング開発を担当した後、フィールドSEとして設計などに携わる。その後ATMのソフトウェア担当となり、現在はクイックカウンターソリューションを統括する。休日は小学生の息子と一緒にランニングやスノーボードを楽しむ。

  • 達 重樹

    商学 出身

    入社当初は営業として公共や医療分野の表示システムを担当。その後金融分野に移りATMやクイックカウンターソリューションを担当する。自分が携わった製品が公共の場に設置されているのを子どもに自慢できるのがやりがい。

  • 尻 晃透

    電気電子工学 出身

    入社以来、一貫して銀行の店舗に設置される営業店端末や、伝票類を読み取るイメージリーダー、現金を計数するリサイクルキャッシャなどのハードウェア開発を手がけてきた。休日は自転車で出かけたり、散歩で見つけた新しいショップで買い物をして息抜き。

伝票、印鑑、現金の取り扱いを減らすのがミッション

今、金融の世界では、インターネットバンキングやキャッシュレス化などのデジタル化が進行している。ところが現在でも、銀行窓口で伝票を必要とするお客様や、印鑑を押した書類を持ち込むお客様、通常のATMでは扱えない大量の現金を入出金するお客様は存在する。そこで発生する伝票処理や現金の取り扱いの手間が、銀行の経営を圧迫する一因となっている。銀行向けの製品やサービスを通じて、そのビジネスを力強く支えてきた富士通フロンテックでは、営業店の業務量を減らすことはできないかと考え続けてきた。「その一つの答えとして生み出されたのが『クイックカウンター』というソリューションです。取引の中で伝票や印鑑の数を極力減らし、行員が現金にふれることで発生するミスを防ぐためのシステムです。たとえば、利用者の中には、伝票を使って窓口で入出金や公共料金支払いなどを行う方もいます。それを『クイックカウンターステーション』という端末を使い、利用者と銀行員が共同作業を行うことで伝票や押印をなくし、業務削減ができる。そうしたシステムづくりに取り組みました」。そう語るのはプロジェクトを統括した澤木秀己だ。

コンサルティングでお客様の業務を変える

ソリューションの開発にあたっては、どのような機器構成や運用にすれば業務を効率化できるのか、様々な分野の専門家が集まって検討を進めてきた。「大きなハードルとなったのは、システムを導入しただけでは業務削減はできないという点です。銀行業務そのものの流れやルールも一緒に変える必要がありました。その部分はお客様自身が抜本的な業務改革に取り組まなければなりません。そこで、開発と営業担当がタッグを組んで、銀行に対して業務改革の提案を行うことからスタート。まず現状の事務量はどれくらいあるのかをつかみ、業務削減を実現するためのやり方を一緒に検討し、その上でソリューションを提案しました。まさにお客様を巻き込んだ取り組みになりました」と営業を担当する安達重樹は言う。開発する澤木たちも、社内で銀行の業務に精通しているメンバーやお客様へのヒアリングを実施して、業務への理解を深めながら一歩ずつ開発を進めていった。

お客様と一緒に使いやすい装置づくり

ソリューションの重要な要素の一つが、新たに開発されたリサイクルキャッシャだった。これは利用者が営業店に持ち込んだ大量の現金を計数する装置で、開発リーダーを務めたのが川尻晃透だ。「従来の装置では行員が現金を機械に投入することが多かったのですが、この装置では利用者自身がロビー側から入金するので、行員は現金に触れることがなく、業務削減や現金トラブル防止につながります」。この装置はオフィス側で現金を取り扱う出納機の役割も兼ねている。二つの機能を一体化させたことで、店内にある装置の数を減らすことが可能になり、一台で店内の現金を一括管理できるようになった。「ふだんの開発は社内で行うのでお客様との接点はほとんどありません。でも、今回の製品は営業店の業務に密接に関連するので、お客様の話を直接聞いて、どうすれば使いやすくできるかを一緒に検討しました。操作画面に表示される言葉や誘導案内も、できる限り利用者がわかりやすく使いやすいように、とことんこだわっています」と川尻は話す。

密なコミュニケーションでONEチームに

今回初めてリーダーを任された川尻は、新製品の開発であることに加えて、プロジェクトの参加人数が多かったために、自分に務まるかどうか不安があったという。「チームを一つに取りまとめて同じゴールを目指すのが大変でした。でも、直面する課題を一つずつクリアしていくことで一体感が生まれ、最後はお互いによく頑張ったねとねぎらい合うことができました」。自分自身が責任感を持って、関係部門とともにプロジェクトを進めてきたことも、貴重な経験になったと川尻は振り返る。プロジェクトを統括した澤木も関連部門が非常に多いため、取りまとめに苦労したという。「社内だけではなく、お客様側でもいろいろな部門の人が関係してきます。そのため進捗状況の共有や様々な調整などが非常に大変で、しっかりとルールを決めてコミュニケーションを取ることに一番パワーを使いました」。どうやって課題を解決したらいいのかということを逐一共有して、メンバーが孤立しないようにケアしてきたと安達も口をそろえる。

高評価を得たソリューション

完成したソリューションは銀行からも高い評価が得られた。「最初に導入した店舗で、伝票の数や業務量が半減したことがデータで確認できました。店舗のみなさんからも業務が楽になったという声が聞こえてきました。ソリューションの効果が実証されて、開発した甲斐があったと実感できました」と澤木は顔をほころばせる。リサイクルキャッシャを開発した川尻も「わかりやすくて取り扱いやすいねといったお褒めの言葉をいただき、非常にやりがいを感じました」という。利用者の隣に行員が寄り添って操作を行う『クイックカウンターステーション』への評価も高い。「営業店に来店されるお客様、特に高齢者層からの評判が良いと聞いています。金融機関の店舗サービスのランキングでも、利用者の支持率が非常に高くなっています」と安達も自信を深める。このソリューションは全国各地の銀行に続々と導入されている。しかし、その後も銀行を取り巻く状況や銀行業務は激しく変化し続けている。新しいソリューションへの挑戦はこれからも続いていく。